クリスマスのお話
自慢じゃないけどずーっと豹くんへの愛を語ってたし、オープンに話してたと思うけど伝わってなかったんだろうか。職場の一 人もわたしが豹くんのことを大好きだって毎日聞いてたのに。
「なのに、桜それでいいの?」
「それでって?」
首を傾げるわたしを焦ったそうに見る瀬名ちゃん。
「だって付き合ってるかどうかも知らないんでしょ?それで当然そういうこともしてるわけでしょ?不安とかないの?」
「んー、ならないけどなぁ」
だって豹くんと知り合ってもう4年になるけど豹くん変わらず優しいし。
豹くんと初めて会ったのはわたしがこの会社に出社したときで、どんな会社なんだろう、わたしが役に立てるのかな、と前の日にそわそわドキドキワクワクしていたせいで寝坊。
ついでに会社の中で迷子というまさに踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、青菜に塩な状態で泣きそうだったとき(半分は泣いてたけど)助けてもらった。
「どうした?」
簡潔で短い言葉だったけど声をかけてもらえたことが嬉しくて、その優しさが身に染みて、そしてその見た目にも一発KOなわたしだった。うん、ちょろいと思うよ過去のわたし。