クリスマスのお話



自慢じゃないけどずーっと豹くんへの愛を語ってたし、オープンに話してたと思うけど伝わってなかったんだろうか。職場の一 人もわたしが豹くんのことを大好きだって毎日聞いてたのに。



「なのに、桜それでいいの?」


「それでって?」



首を傾げるわたしを焦ったそうに見る瀬名ちゃん。



「だって付き合ってるかどうかも知らないんでしょ?それで当然そういうこともしてるわけでしょ?不安とかないの?」


「んー、ならないけどなぁ」



だって豹くんと知り合ってもう4年になるけど豹くん変わらず優しいし。


豹くんと初めて会ったのはわたしがこの会社に出社したときで、どんな会社なんだろう、わたしが役に立てるのかな、と前の日にそわそわドキドキワクワクしていたせいで寝坊。


ついでに会社の中で迷子というまさに踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、青菜に塩な状態で泣きそうだったとき(半分は泣いてたけど)助けてもらった。



「どうした?」



簡潔で短い言葉だったけど声をかけてもらえたことが嬉しくて、その優しさが身に染みて、そしてその見た目にも一発KOなわたしだった。うん、ちょろいと思うよ過去のわたし。






< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop