偶然は運命的で必然的だった
夢を見てた。

いつも眠りは浅いほうだから夢を見ることが
そんなに珍しいようなことでもなかったのに。
1か月くらいずっと同じ夢を見る

夢の始まり方こそたまに違うけど
いつもいつも同じ夢。

辺りはセピア色で夢だってわかっててもなんだかまるで
現実化のようなそんな感覚に襲われる。

今日の私は、私は悲しそうに先輩は楽しそうに
追いかけっこをしてる夢を見た

波が打ち寄せる浜辺
きっといまはまだ海の温度は冷たいのに

いろんなことが不思議で全然頭の処理速度が追いつかない。

次第に私は私と気持ちが混ざって行って私までもが悲しくって
苦しくってもどかしくなっていく。

先輩に触れられる距離にいるのになんで?
手が触れそうになると、捕まえられそうになると消えちゃうの??

もうこんなおいかけっこはやめようよ。
そういって私の前で泣き出す私と泣いてる私。

ふと気づくと眩しい光が
淡いグリーン色したカーテンから細く差し込んでいた

「眩しい…」

私は頭から布団をかぶった。

2008年4月12日
まだ冬の冷たさを残したままこの街は春を迎えた。

私は春が嫌いだ。
私の好きな季節は春と梅雨の間の初夏。

あの、夏が始まっていくあの感じが好きで
屋上で胸いっぱいに吸い込んだ空気がおいしい。

そんなことを
布団の中で目を閉じて考えていた。

「眩しい?」

ふとなんか不思議に思った。
私は手探りでケータイを探す。

大好きなキャラクターのモコモコのケータイカバーだからすぐわかる。

ケータイの液晶が照らす光は自然の光よりいくらでも明るくて
目の奥まで突き刺されるような気がした。

なるべく薄く目を開けて今日を確かめた

「2008年4月12日8時30分」

…。

今日はいつもと変わらず昨日を終えて今日を迎えた
それはさておき…

今日を迎えたとともに今日が終わった。

「遅刻だーーーーー!!!!!!!!!」

慌ただしく最悪な私の1日が始まった。
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