偶然は運命的で必然的だった
うさぎくんが扉を開けてその部屋をでると大学病院のような場所に出た。

みんな白衣を着た人ばかり。

白い白衣を着てない人は右腕に白いバンドをした人と黒いバンドをした人がいた。

「門にたどり着くまでに話すよ。
芹花ちゃん。もうここに戻ってきてらだめだよ。
キミの腕にはグレーのバンドがあるだろ?
それはもうチャンスがないことを意味してるんだよ。
もしキミがまたここにきてしまったら悪いけど
白いバンドをしてあげられなくなるからね。」

「…?。うさぎくん…」

「黒のバンドはもうこの世に帰れないことを意味してるんだよ。
あと、ここの記憶は少し消させてもらうからね。
キミがもう僕のことを2度と思い出せないように
キミが戻るのは2007年7月14日キミが熱中症で倒れて入院したあの日に返すからね。
ちゃんとやり直すんだよ。
もしキミがもう1度ここにきてしまってたらもう何もできないんだから。
ここは死生の間なんだよ」


うさぎくんは切なそうな顔をして苦しそうな顔をしていった。

「怖いかもしれないけどほら行くんだ」

門は開いてた。
赤黒い人間の鮮血ではなさそうな色の門が。

「う…」

「振り返るな。引き込まれるぞ」

そう声が聞こえると背中に痛みが走った。
きっとうさぎくんに背中を思いっきり蹴られたであろう痛み。

私はその赤黒い色の中へ堕ちて行った。
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