ハナ に アイ を 注ぐ 。
「 お前、植木と別れたんだって? 」
「 え? まじで!? また何で .. 。仲良かったのに。 」
噂というのは早いもので次の日には既にクラスに広まっていた。
登校し、席に着いた途端 仲のいい友人、またそうでない奴もちょこちょこコチラにやってきた。
「 しかし、お前も馬鹿だよな 〜 。
植木と別れるなんて。 」
「 ほんとに。 あんな美人そういねえぜ? 」
そう、結は学年で男女問わず人気のある生徒である。
明るく、よく喋る。だが、少しした品もあり 何より美人だ。
そんな彼女が異性から好意を寄せられない筈がない。
直人はそんな人物から去年の冬頃に告白をされたのだ。
今まで何度か異性から告白をされた事がある 。
その度、直人は拒否をすること無く全て受け入れていた。
決して、 好きな子から告白をされている訳ではない。
しかし、彼は「NO」とは言えないのだ。
「好きだから」ではなく「好きになるかもしれない」という考えが彼にあるから。
相手の事を知れば、きっと好きになる。 そんな安易な考え方をしている直人は結果的に相手を傷つけてしまい、
別れる事になってしまう 。
直人はまだ人を恋愛対象として見たことがないのだ。