お兄ちゃんと妹。
「伊月。話がある。」


お兄ちゃん・・・。わかってるよ。唯の事でしょ。

もう嫌だよ。疲れたよ。空回りして、堕ちたのは私だった。

誰が、どうして、こんな世界に私を棄てたの?

「伊月。早く。」

早く?唯の事なんて聞きたくもない。

「伊月!!逃げるな!!」

逃げるよ!!だって、だって・・・

「どうあろうと、俺は伊月のお兄ちゃんだから。ちゃんと色々話し合おう!」

「お兄ちゃん、それ、本当?」
お兄ちゃん、嘘つかないで。

「だから、早く部屋からでて、話そう。」

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「話すことなんてないよ。お兄ちゃん。」

「ある。あの写真、どこで手に入れた?」

「・・・大学、家への帰り道、すべての監視カメラをハッキングした。」

「伊月、嘘つかないで。そんなことが、普通の、しかも、女の子ができる訳がない。」

できるよ。できてるよ。

「ちゃんと、本当の事を言って。」

言ったよ。嘘もついてない。


「伊月、黙ってないでー」

「私は!!」

お兄ちゃんが驚いた。そんな事どうでも良い。

「化け物だから。」

「・・・伊月・・・。」

ごめんねお兄ちゃん。私の事、普通の女の子だって言ってくれたけど、やっぱり、私はー

「化け物じゃない。」

違うよ。
あれ、頭が痛い。

「イタッ!?」

「い、伊月、大丈夫か!?」

あた、まが割れー

お兄ちゃん・・・。




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