お兄ちゃんと妹。
「伊月、良いお知らせだよ。」
「え?」

お兄ちゃんが嬉しそうにドアを開ける。
「ちょっと待ってて!」

お兄ちゃんにとって、とても嬉しいことなら、私も嬉しい。

「紹介するね。僕の彼女‼」
「よろしくね。伊月ちゃん。」

大学生の兄は、彼女をつれてくる。それを見た高校生の妹は、笑顔で迎えるのが人間だろう。
でも、私は違う。
「誰?」
お兄ちゃんに近づく悪い虫。
「八代唯だよ。気軽に、唯って、呼んでね!」


その日から、私は不登校になり、虫退治をすることにした。
「伊月、学校・・・。」
「俊君、伊月ちゃんは、頭良いんだから、大丈夫だよ。きっと、なにか伊月ちゃんなりに考えがあるよ!」
「・・・だよな。伊月だからな。」
「大学いかなきゃ。」
「伊月、大学いってくるな。」

ドアが閉まった音がする。
お兄ちゃんがつけてくれた名前を、簡易に呼ばないで。

やめて。お兄ちゃんに・・・

「触れないでぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

パリンッ

窓ガラスが割れる。メイドが悪口を言う。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

コワレル

あいつを、悪い虫を、

「清掃しなきゃ。」

私なら、簡単でしょ?だってー


ー化け物だから。
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