蘭蝶
『そしたら、悪性のガンだって言われたわ』


「え…?」


次々明かされていく真実に追いつけない


『その時ある決断をしたの。…家を出て行く決断を…』


ママの表情はその時の事を思い出しているのかとっても苦しそう


「どうして…」


『…私…ホントにあの人が大好きだったし大切だった…。』


愛おしそうに話ママは一番綺麗だと思うくらい綺麗だった


『だから、どうしても病気の事言えなかった…言ってあの人が傷ついて欲しくなかった。』


勿論美玲達にも。


そう付け足して続けるママ


『…きっとね…私があの時病気になった事言ったら、なんで自分は気づけなかったんだ?ってあの人は絶対に自分を責めると思ったの』

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