蘭蝶
目を開けると真っ赤にしている湊が見えた


「え、風邪!?」


「違うから!それより行くぞ」


私を軽々持ち上げてバイクから降ろした湊


私の目の前には蝶華の倉庫の扉


「どうして…」


私…ここを辞めたはず……


「誰も認めてねぇよ。美玲がここを辞める事なんて」


「…え?」


「…開けてみろよ。そしたらわかるから」


戸惑う私を他所に湊は私に扉を開けるように言う


「いや…でも……」


「いいから」


ポンっと背中を押すように優しく頭に乗っかった湊の手


「…うん」


恐る恐る扉に手をかける


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