蘭蝶
ゆっくり力を込めて開ける


扉を開けた瞬間


パンパン


「「退院おめでとう!!!」」


われんばかりの皆の声とクラッカー音


頭が混乱して動けなくなる


「……どうして…」


やっと出た言葉は頼りなくて弱々しかった


「そんなの、総長が帰ってきたんだから当たり前じゃん!」


「そーだよ!」


嬉しい事を言ってくれる皆


ポロポロと頬を涙が伝う


「そ、総長!!?」


いきなり泣き出した私にオロオロする皆


「もぅ…ばぁーか…!皆大好きだ!!」


「総長が帰ってきてくれたんだからバカにでもなんでもなるよ」

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