蘭蝶
だって、私。


まだ、皆に正体を言えずにいたから。


言えずにグズグズしていてあっという間に姫になってから半年の月日が流れていた。


そんなある日の事だった。


陸が女の子を倉庫に連れて来たのは…。


「奈々でぇす。

陸の幼馴染なので、よろしくお願いしまぁすぅ」


第一印象は、ブリッ子だ。


だけど、陸が、連れてきた子だったから、私は仲良くなろうとしたんだ。


「よ、よろしくね」


若干顔が引きつっていたかも知れないが仲良くなろうと頑張ってみたんだ。

皆は、奈々とすぐに打ち解けて仲良くなっていった。


そして、それと比例するように皆は、私を倉庫に呼ばなくなっていった。
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