俺様副社長のとろ甘な業務命令


「やっぱり腑に落ちないわー。こんなんだったら誘わなきゃ良かったよ」

「まだ言うか。佑月も相変わらず根に持つ奴だな」


家が見えてきてまた食い下がると、颯ちゃんは呆れたような口調で言い返してくる。


「だってさ……今日は“お詫び”ってつもりだったんだから。この間の代わりとはまた別だよ」

「じゃあ、そのお詫び、今日は佑月んち寄っていかせてもらうのでどう?」

「え?」

「お茶、今日はご馳走になっていくよ」

「あ、うん、それは全然いいけど……」


いつもは誘ってもやんわり断って帰っていく颯ちゃんからの申し出に、急なことでつい反応が鈍ってしまった。

でも、了承しときながらヤバイ、と今朝の自分の部屋を思い返す。

今日に限って、結構派手に散らかっていたような気がする。

最近忙しさに感けて部屋の片付けもさぼっていたから、あまり人を呼べる状態ではないような……。


「でもごめん、先に言っておくけど、結構散らかってると思うんだけど……」

「別にいいよ、気にしないし」

「うん、じゃあ、それでもいいなら」


部屋に入ったら急いで軽く片付けよう。

そんなことを思いながら、颯ちゃんと共にエントランスへと入っていった。


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