俺様副社長のとろ甘な業務命令
触れる唇と肌を滑る指に全身の熱を上げながら、いつしか求めるように副社長に腕を回していた。
ピクリと体を震わせるたび、優しいキスが降ってくる。
肌蹴たシャツを脱ぎ捨てた副社長は、細身な体に適度な筋肉をつけていて、それがまた一層鼓動を高鳴らせた。
副社長の熱を全身で受け止めながら、明日にはもう側にいられないという現実に切なさが込み上げていた。
肌を触れ合わせながら、思わず「離れたくない」と言ってしまった私を、副社長は応えるように強く抱き締める。
私の名前を呼んでくれるこの声も、愛おしそうに触れてくれるこの熱も、忘れないように濃く記憶しておきたい。
その夜、私たちは現実から逃れるように何度も互いを求め合った。
でも、副社長を近くに感じれば感じるほど、私の切なさは増すばかりだった。
明日なんて来ないでほしい。
そんな、考えても意味のないことを願っていた。