俺様副社長のとろ甘な業務命令
「でも……今回は見送りになっても、いずれあっちに行くことになるんですよね?」
「ああ、でもその時はお前も一緒に連れていく」
「えっ……」
思いもよらぬ宣言をされて、副社長の顔を見上げる。
目が合うと同時、またあの無敵の笑みを見せられた。
「いや、でも、そんなことしたら皆に私とのこと」
「俺は全然構わないけど」
「え……」
「むしろ今すぐバレても何の問題もない」
そう言った副社長は、誰が来るかもわからない会議室で堂々と私を抱き竦める。
その大胆な行動に、もうなす術がなかった。
「とにかく、その時は覚悟するように」
「覚悟って……」
「離すつもりはないってこと」
なんて破壊力のある台詞を言われてしまったのだろう。
副社長がそんなことを言う相手が、この私だということにも相当驚ける。
だけど、今まで体験したことがない胸のときめきを感じていた。