俺様副社長のとろ甘な業務命令
今日の予定は、朝一で開発部がある青山へ行き、昨日街頭調査をした資料を元にした打ち合わせが入っている。
商品のラインナップやカラーバリエーション、コスメデザインなどの打ち合わせはもう何度目かの打ち合わせになるけど、いよいよ製造に向けて具体化していく段階に煮詰めていく。
昨日帰社してから休む間もなくまとめた調査資料を、今日の打ち合わせに参加する人数分用意してカバンにしまう。
そろそろ出ようかと社内をぐるりと見渡すと、副社長の姿が見当たらなかった。
「斎原」
「あっ、はい!」
「もう出る時間だろ。行くぞ」
どこに行ったのかと責める気持ちになりかけていた私の背後から、いつの間にか出る準備万端の急かす声。
早くしろと言わんばかりの視線に慌てて席を立つ。
「開発部、行ってきます!」
先にフロアを出て行った副社長を追って会社を後にした。