俺様副社長のとろ甘な業務命令



ちょっと待ってよ……。

嘘でしょ?
誰か嘘だと言ってよ!


さっき囁かれた言葉がまだ熱を持って耳元に残っている。


まさか、昨日の夜、副社長とそういうことになっちゃったの?


あの言い方じゃ、そうとしか思えない。

でも、いくら酔って記憶がないって、そんなことになっていたらさすがに断片的にでも何か記憶があるはず。

だけど……。


……やっぱり何も思い出せない!



「あー、もうっ、馬鹿なの?! 私は馬鹿なの?!」


エレベーターの中をぐるぐると徘徊しながら独り言をぶつぶつ吐き出す。


そうこうしているうちに、エレベーターの扉が静かに開く。


その先に現われたのは、豪華なエントランススペースだった。

一つの部屋の中のような広い空間には、観葉植物が飾られ、待ち合いのためのソファーなんかが設置されている。


どんだけ豪華なマンションに住んでるのよ、と思いながら出口らしき扉を目指す。


ドアを押し開けて、次に広がった光景に「えっ」と思わず声が漏れた。


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