俺様副社長のとろ甘な業務命令
私が在籍する広報宣伝部での仕事は、外回りの仕事は普段もよくある。
広報宣伝部が入る『B.C. square TOKYO』以外にも、都内に他部署が入る自社ビルがあったり、商品のプロモーション業務でマスコミ関係などの打ち合わせなどに出かけたりなど、会社でデスクに一日中座っている方が少ない。
でも、街頭調査で街に出るのは今日で二度目の経験。
入社して間もない頃に先輩社員について一度同行したことがあるけど、その後はご無沙汰の業務だ。
道行く人に声を掛けるのか、なんて、ちょっと不安に思いながら今朝出社すると、今日一緒に行く予定になっていた一年目の金子さんがまさかの体調不良で欠勤。
代打で同行できる人も運悪く見つからず、急遽、一人で向かうことになってしまった。
一人で声を掛けなくてはいけないことは若干気が重いけど、でも、楽しみな気持ちもある。
どんな話が聞けるのか、新たな商品を手掛けるために、考えもしなかったいいアイディアやヒントを得ることができるかもしれないというワクワク感に包まれている。
今日の調査の対象は、高校生や二十代前半くらいまでの若い女の子たち。
今現在、うちのブランドから出ているコスメについて意見をもらうことと、今欲しいコスメについてや、こんなメイクアイテムがあったらいいと思えるものなどを調査する。