俺様副社長のとろ甘な業務命令


「まぁ、とにかく心配するな。もしバレたら、それも俺が悪いんだし」

「……何か、調子狂うんですけど」

「は?」

「あっ、えと……」


やばい。心の声がつい!


「いや、だって……」


急に居ごこちが悪くなってもじもじとしてしまう。

困る私を副社長はフンと鼻で笑う。


「素直じゃないんだな? 嬉しかったって言えばいいだろ」

「へっ! それはっ……」


さっき、庇ってくれたんだって思ったら、嬉しかったのは確か。

でもでも、それって「嬉しかったですー、ありがとうございますー」とか、言うもの?!

普通に言えちゃう女子もそりゃいるかもしれないけど、少なくとも私はそういう人種じゃない。


「可愛くないぞ、そういうところ」

「は、はい?!」

「世渡り上手なタイプではないな」


な、な……何をををー!?


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