俺様副社長のとろ甘な業務命令
「ょ、余計なお世話です! 副社長に可愛いとか思われなくても結構ですから!」
「おー、怖。怒った怒った」
「怒ってなんかないです!」
必死の抗議。
完全にからかわれている状態で不覚にも顔が熱い。
睨むようにチラッと横を見ると、副社長は肩を揺らして笑いを堪えていた。
「冗談だって。斎原のそういう媚びないところ、俺はいいと思ってるよ。まぁ、色々と苦労はしそうだけどな」
「それ、あんまり褒められてる気しないんですけど……」
「そうか? 結構褒めてみたつもりだけど」
「もういいです!」
「怒るな。眉間のシワ、消えなくなるぞ」
誰のせいよ、誰のっ!
「ランチ、連れてってやるから機嫌直せよ」
「えっ?」
「ご機嫌取っとかないと、午後の仕事に支障が出そうだからな」