俺様副社長のとろ甘な業務命令
「あの、副社長。やっぱりテイクアウトにしましょう」
気付けばパンケーキのことは諦めてそう申し出ていた。
とにかくこの場を離れたい。
今少し前までメニューに悩んでいたくせに、いきなり予定変更をした私に副社長は怪訝な顔を見せる。
「パンケーキは?」
「あ、夕方からの会議の前に、もう少しまとめたいことがあったので、やっぱり戻ってお昼取りながら昼休み中に終わらせたいと思うので」
「そうか。お前がそれでいいなら別の構わないけど」
「じゃあ、そうしましょう」
動き出したこっちの様子を察して、颯ちゃんが「佑月、またな」と声を掛けてくる。
副社長にも「失礼します」と丁寧に頭を下げ、一緒にいる女性と先にお店を出ていった。