光と雪
その部屋に足りない物は…………
自分でも分かっていた。
ふぅ、と誰もいない病室で溜め息をついた。
それもとびっきり大きくて深いヤツを。
「僕はなんで生まれて来たんだろう…」
白い天井をにらみ付け…。
早く死ねば良い。
こんな命いくらでもくれてやる。
地獄でも何処でも良い。
天使じゃなくても死神でも良い…。
早くこんな絶望しかない世界から追い出してくれ……。
骨張った手で動脈のある手首を強く握った。
血を止められ青ざめていく手を見ながら。
このまま血が通わなくなったら腐るよな。
そこから菌が体中に回って………
そうしたら僕は…
この世界から…
追放される………?