光と雪
幼い過去 [雪斗]
ー――― 5年前…
家の家系は代々長男が家業の大手株式会社の社長を継ぐ事になっていた。
父は長男であり、立派に社長を継いでいた。
長男の一人息子、となれば当然跡継ぎは僕しかいなかった。
小さい頃から、多分2歳も満たない頃から
書道
華道
茶道
英会話…
剣道
柔道
空手…
と様々な習い事をさせられていた。
どれも全て優秀な成績を収めていたし、父さんからも
『流石、俺の子だ。自慢の息子だよ』
ぐりぐりと腰までしかない僕の頭を撫でてくれた。
母さんは決まって
『私に似たからですよ』
ってキッチンから笑い声が聞こえて来る。
父さんは
『何を言っている。俺に似たのだよ』
なんてやり取りを繰り広げられるのを見てるのが僕の些細な幸せだった。