光と雪
母さんが診察中、僕は一人長椅子に腰掛けて
ただひたすら宙を仰ぎ母さんが診察室からでてくるのを待った。
「雪斗っ」
このテンポの良い呼び方は僕が知る限りまだ一人しかいない。
「…鈴未さん?」
「久し振りね。どれぐらいかしら」
随分前に母さんに付き添いに来てからだから少なくとも…
一年は経つのでは無いのだろうか。
「…雪斗、最近吐き気とかしない…?」
ふ、と看護士の目になった鈴未さん。
メニュー