光と雪



母さんが診察中、僕は一人長椅子に腰掛けて




ただひたすら宙を仰ぎ母さんが診察室からでてくるのを待った。






「雪斗っ」





このテンポの良い呼び方は僕が知る限りまだ一人しかいない。






「…鈴未さん?」





「久し振りね。どれぐらいかしら」




随分前に母さんに付き添いに来てからだから少なくとも…




一年は経つのでは無いのだろうか。





「…雪斗、最近吐き気とかしない…?」





ふ、と看護士の目になった鈴未さん。







< 23 / 31 >

この作品をシェア

pagetop