『 』
プロローグ
あたしは教室で、
「あーあ、なんで、こんなことになっちゃったんだろ…」
そう呟いた。
なんで、と言ってみたものの起こったことにいろいろ言ってもしゃーないという気持ちが直ぐに湧き上がった。
「さて、帰ろ…やることはやったし。」
どうして、あたしが教室に1人で残っているかというと、掃除を押し付けられたのだ。
このクラスには、ヒエラルキー的なものがあり、1郡の上の人はド派手だったりクラスをまとめたりできる人、2郡はその人達の補佐、3郡は気に食わない人…1郡と2郡がやりたくないことをする雑用係、4郡が静かな人、5郡に蚊帳の外の人。ちょっと前までは、あたしは5郡だったのだが一気に3郡になったのだ。つまり、あたしが掃除を押し付けられたのはそういうことである。
さて、どうして、5郡だったのが3郡になったのかと言えば、数日前に父親の会社が詐欺にあい更には部下の横領が発覚、父親の会社は倒産寸前。だったわけなのだが、とある会社が「倒産させない」と声を上げて吸収合併。というわけで、あたしの家の家計と父親の会社は守られたのだが、吸収合併をする時の条件は何もなかったのだが父親がとある条件を提案しその条件を相手の会社は承諾した。
その条件とは、その会社の息子とあたしが学校を卒業したら結婚をすることだった。その条件をその息子があっさりと快諾。快諾してないのはあたしだけだった。更に、話しの流れでその息子とあたしは同居することになり。

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