『 』
翔太の努力は無駄になんかなってなかった。
「大神、勉強、得意になった?」
と先生。
「そんなことないです。翔太…三津谷くんのおかげで」
「大神、ありがとな」
「はい?」
「三津谷が授業中寝なくなったし真面目になったし、クラスのまとめ役になったりとかいろいろ」
「そうだったんですか。三津谷くん先生とか向いてそうですね」
「え」
「えって。先生、あたしが勉強得意になったのは三津谷くんのおかげで…ふふ」
「そうだったな。大神の言う通り、三津谷、先生に向いてるのかもな」
「そうですね」
「さて、俺はちょいといなくなるけど」
「保健の先生いるから…」
「わたしもちょっと…」
「じゃ、あたしはここにいます」
「俺か保健の先生が来るまで待ってて」
「はい」
────────これが事の発端だった────────
「先生来るまで寝てようかな…いやいや、あたし寝起き最悪なんだから寝ちゃダメでしょ」
そう呟いたその時ガラガラと開く音がした。
「せん…えっ」
「美樹ちゃん」
と言う声。
その声の持ち主は、
「特別教室に来なくなったから心配したんだよ」
「っ」
「黙りこまないでよ」
「なんでいるの…」
「美樹ちゃんに会いたかったからだよ」
「あたしは会いたくなかった」
「僕は会いたかったんだよ。だから会いに来た」
「来ないで」
「嫌だよ」
「あたしの方がもっと嫌だ」
あたしは先生がドアから一定の距離を取ったのを確認すると
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