『 』
3章〜Miki side〜
はぁ。翔太は友達。友達だからってあたしのことペラペラ話してもいいものなのだろうか。
「友達ってなんだろな」
ボソッと言った。
あたしは翔太に『友達になってほしい』と伝えた。その矢先にこんなことが起こってしまった。
あたしが今いるのは、職員室だ。
「大神、落ち着いたか?」
「はい!」
「ある程度の話しは聞いた。大神にとってまだクラスの連中は辛かった」
「はい」
「先生」
「なんだ?」
「友達ってとは?」
さっきボソッと言った言葉が出た。
「友達な…辞書引けばいいんだろうけど、そういう問題じゃないよな」
「はい」
「友達か。難しいな」
「……」
「人それぞれだけど、俺の場合は、人生をちょっと楽しくしてくれる存在かな。それと、実はな…」
「はい」
「俺の周りにいる奴も友達なのか分からないんだ」
「え」
「まぁ、死ぬ時にコイツらがいてくれてよかったって思えばそれは友達だったのかなぐらいに思ってる」
「そんなんでいいですか?」
「俺の場合だからな。あくまで。でも、大神の場合はそもそもが違う」
「根本が違うってこと?」
「そういうこと」
「友達かどうか、友達とは?とかの問題ではなく、お前の秘密をバラされたからなんだよ」
「それってつまり」
「プライバシー問題だな」
「プライバシーとは?」
「そこからか」
「うん」
「プライバシー…私事を知られたくないことって意味だな」
「確かに、知られたくなかった」
「じゃーあってるな」
< 40 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop