『 』
そのことを美樹に伝えるだけ伝えた。美樹は何か言いたそうにしたが、俺は俺で手一杯で無視をしてしまった。
それからというもの、俺とメッセージIDを交換してくださいとしつこくて交換し…それからというもの、夜には毎日メッセージが届き、お昼も夕飯も一緒に食べることが多くなり、ゲーセンに行って写真を撮ったり、日曜日には江口と出かけることが殆どになり、いつの間にか美樹と話しをする時間が無くなっていた。
それもこれも江口が『いいんですか?あたし、いろんな人に先輩と付き合ってるって言いふらしても』と脅迫してきたからだ。
そんなある日、有村と鈴村に呼び出された。
「三津谷くん、江口って子と付き合ってるの?」
「いくらなんでも大神さんか可哀想だ」
と言ってきた。
「俺だって、江口となんか一緒に居たくねぇし、美樹には申し訳なく思ってる」
「なら、なんで」
「三津谷、なんか理由あんだろ?」
「あぁ」
「話してくれねぇか?」
「それは、話せねぇ」
「なんで?」
「あたし達、友達でしょ?」
「友達だからだ」
「三津谷くん」
「全て片付いたら話すから」
「約束よ」
「分かってる」
そう言って無理矢理納得させた。
放課後、下駄箱前。
「先輩」
「あぁ。帰るぞ」
「待ってください。寄り道しませんか?」
「今日もか!?」
「いいじゃないですか〜」
そんな会話をしていると、
「美恵、先輩と付き合うことになったの?」
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