『 』
「先輩、好きですよ」
と言われるようになった。が、俺は『ありがとう』って言うばかりだ。
そして、家に帰ると、美樹か居ないことがとても寂しくて仕方ない。今まで居た存在なのに。そこで、俺は気がついた。
「美樹が俺のそばにいることが当たり前だと思ってたんだ」
付き合ってるわけでもないから、そんな保証ないのに。
美樹が居ないとこんなに寂しいものなんだな。
「俺の美樹なのに」
ずっと好きだったのに、今までそんな『俺の』だなんて思ったこともなかった。
まぁ、美樹が大好きってことだな。
そして、江口と1週間限定で付き合い始めて今日が最終日。
学校の校門前。
「先輩」
「ん?」
「あたし、先輩が大好きなんです。ホントに。大神先輩に負けないぐらい。大大大好きなんです。あたし、体全体で大好きって言ってます。あたしと付き合ってください。今度は期限なしで」
江口も気づいてるみたいで、必死にそう告白した。だが俺の気持ちは変わらない。
「ごめん。俺は、美樹だけなんだ」
「……」
「美樹が好きすぎてやばいんだ」
「ですよね」
「え」
「え、じゃないですよ」
「…」
「ここ1週間、殆どの時間が上の空でしたよ」
「マジ?」
「気づいてなかったんですか?」
「おぅ」
「おぅって自信満々に言われても」
「んな風に言ってねぇ」
「あー、もぅ。分かりました。てか、大神先輩の所に行ってください」
「いきなり」
「女の子の泣き顔見たいんですか?」
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