私の彼氏は超肉食系
「私に任せてくれますか?」

ただの医学生には荷が重い任務だ。

最悪、警備員に命令してでも騒ぎを収めなければいけないだろう。

そうなれば、責任者の指導の元というお膳立てが必要だ。

「ああ、責任はこっちで取ってやる好きにやりな!」

処置室の扉から外を覗いてみると、いるわいるわ。

うじゃうじゃと厳つい顔をしたヤクザが一杯だ。

更に周囲を見回してみると・・・居た。

水商売風の女性だ、

私と同じように胸元の開いた服を着ている。

目があったので手招きをすると、扉の中に入りこんできた。

「ひぃぃ。お化け!」

失礼な。

私の全身を見た途端、腰を抜かしやがった。

「アネさん。化けてでこないで!」

私に似ているひとが亡くなっているらしい。

「違う違う。良く見なよ。白衣を着ているだろうが・・・。」

「本当だ。お医者さまなんですね。その血は?」

「お前さんのところのヤクザの血だ。なんとかなった。安心しなさい。そんなにその亡くなった人に似ている?」

ヤクザの情婦に似ているなんて、幾ら厚化粧だからといって『一条ゆり』が聞いたら卒倒しそうね。

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