私の彼氏は超肉食系
「うーん。貴女のほうが大分若いですが良く似てます。でもアネさんはなんとかという女優に似せて整形していたはずだから、その女優に似ているのかもしれません。」

『一条ゆり』に似せて整形したらいい。

まあいい。

今は関係の無い話だ。

「お姉さんなら病院の警備員さんから聞いているよね。騒いだら追い出すって。このまま警備員を呼んでもいいんだけど、なんとかして欲しいの。もう少しすれば病室に連れて行くから、一緒に行きたいよね。」

「無理です。私の言葉なんて聞いてくれません。アネさんが亡くなってあの人の近くに居られるようになったけど組の中では全然発言力が無いんです。アネさんが生きていたら、ビシっと纏められるんだけどな。このままだと良くって空中分解かな。」

この女にはヤクザ映画の情婦のようなセリフを言えないらしい。

「そうだ! 貴女が言ってください。組長も士気が下がるからってアネさんが亡くなったことは伝えて無いんです。貴女がアネさんの代わりに言ってくだされば、後はなんとかします。」

「マジ?」

「マジです。そうだ。ここにアネさんがヤクザ映画の決めセリフを言った動画があります。この通り言ってください。お願いします。」

そう言って無理矢理、動画を見せられる。

確かに『一条ゆり』似だ。

この程度のメイクならば、手持ちの化粧道具でなんとかなりそうね。
< 101 / 307 >

この作品をシェア

pagetop