私の彼氏は超肉食系
「それでいいのだな。このヒットメーカーたるこの俺を外せば、この映画は必ず失敗するぞ。」

「警備員。この男を排除して!」

     ☆

結局、この一連の騒動は意外な結末を迎えることになった。

監督がこれまで撮った映画の出演者が口々に監督の過去の暴力行為を告発しだしたからだ。

しかも日本映画界が誇るベテラン俳優陣が揃いも揃って、彼の監督する作品には出演したくないと言い出したのだ。

僅かに過去の映画で主演した俳優や落ち目の俳優たちが出演して映画は作られたのだが、鳴かず飛ばずでヒットしなくなったことから、監督業を続けることさえできなくなった。

もちろん、『一条ゆり』に対する個人攻撃も行なわれたようだ。

だが、私が女優『ベティー』を庇ったことにつけ『ベティー』をイジメた監督に同国人の女性本人が味方するはずも無い。

逆に自分のタレント人生に害が及ぶと考えたのだろう裕也が関係を強要したこと自体が無かったことにされた。

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