私の彼氏は超肉食系
「私は、『この映画だけですよ。』と言いましたよね。何故、第2作目の話が来るんですか?」

私はプロデューサー『一条ゆり』に向かって噛み付く。

これでは本当に留年してしまう。

私の目標である医者になることが夢で終わってしまうとなれば、噛み付くのは当然だ。

「仕方が無いじゃない。第1作目があんなに大ヒットしてしまったんですもの。」

10月に公開され映画は11月・12月と続いているしかも毎月公開する劇場が増え続けている。

「せいぜい興行収入が15億円くらいだと思ったのに、まさか公開初月で歴代興行収入のTOP5と肩を並べる推移を見せるなんて有り得ないでしょう。」

「ちょっ。どこからくるのよ。その15億円という数字は・・・。」

「貴女の主演映画のブルーレイ販売額から試算した数値が20億円くらいという話だったのでそれの約半分が観に来てくれたとして10億円。私が起こした問題行動で5割り増しの動員があったとしての金額です。なかなかいいところだと思ったのですが、『お菓子屋』さんたちが煽ったせいでしょうか?」

『お菓子屋』さんや『中田』さんが、こちらが恥ずかしくなるほど『一条ゆり』主演映画のリメイク版では無く『西九条れいな』主演映画としてベタ褒めした。

すると彼らを尊敬する芸人や噺家さんたちが相次いで観に行ってくれたようで、SNSで映画のコメントして頂くようになった。

そこまでは想定していたのだが、テレビ局の情報番組で彼らのコメントが取り上げられるとうなぎ登りに上映館が増加していったらしい。
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