私の彼氏は超肉食系
結局、伸吾さんと会うことにする。

調べてみたが弁護士相談料1時間5000円は高すぎる。

それこそぼったくりと思ってしまう。

長年培ってきた金銭感覚はなかなか変わらない。

プロデューサーに相談も出来ない。

伸吾さん対策に伸吾さんを雇ったらどうなるのだろうか。

「お久しぶりです。お嬢さん。」

伸吾さんは相変わらずスマートなビジネスマン姿。

「用件は何。知ってるだろうけど。こう見えても忙しいのよ。」

「お父さまがアメリカに来ないか? と仰ってます。」

「それは何度も断っているでしょう。もういい加減にしてよ。」

「いいえ。そうではなくて、アメリカのハリウッドでデビューしないか。だそうです。」

あれだけ売れてしまえば、あの男の目にも入るか。

「同じことでしょう。あの男は私を近くに置いておきたいのかもしれないけれど、私には私の生活があるのよ。」

「お嬢さんは才能があるから、大きな舞台を沢山経験したほうがいい。と仰ってます。」

相変わらず、伸吾さんは伝書鳩みたいね。

才能なんて無いのに、あれは只のコピー。

そんな人間がアメリカに行っても通用するはずがない。
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