私の彼氏は超肉食系
画面モニターには、電動ドリルを使って扉の鍵を破壊して、扉が開いたところが写っていた。

「イヤよ! やめて! ベッドの写真立てはダメなの! ダメなのよ!」

私の言葉に釣られて、レポーターとカメラがベッドの写真立ての方向へ移動していく。

『さて、『西九条れいな』の本命の彼は、いったい誰?』

カメラがぐぐっと写真立てに近寄り、その写真が画面目一杯に大写しされた。

『なんで! 社長の写真がここに?』

そう。

和重から社長がテレビマンだったころ、得意としていた企画がこのお宅訪問と聞いた私は、スマートフォンで撮った社長を印刷して写真立てに入れて飾っておいたのである。

元々はSNSに投稿しようと撮った写真だ。

背景は私のマンションの居間であることもわかるように撮影してある。

別のところで撮ったと言い逃れはできない。

「社長。だ・か・ら、言ったのに。バレちゃった。奥様への言い訳を頑張ってね。」

社長の家庭は恐妻家だという。

社長は会長の娘婿らしく、視聴率が激減しているにも関わらず、社長に責任を取らせられないと和重が嘆いていた。

既に全国の視聴者に私の本命として一星テレビの社長が認知されてしまった。

さて、どうやって挽回するのかしら。
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