私の彼氏は超肉食系
本番前に『中田』さんに預けた。

それを『中田』さんは自分の控え室に保管しておいてくれたようである。

パスワードは「urology」で、意味は「泌尿器科」である。

和重が少し考えれば解ける程度にしてあるのがミソである。

バッテリーの使用状況を確認しても、1度起動後1分くらいで電源が落とされており、『中田』さんの心の葛藤が見えるようで面白い。

「何が面白いんだい?」

「えっ、私。言葉に出していた?」

「そんなことは無いよ。君って、楽しいことがあると頬がピクピクっと動くんだよ。知ってた?」

私は首を振る。

そんなことを言われたのは初めてだ。

毎日顔を突き合わせている和重にも言われたことが無い。

「ほら、僕。最近、君にからかわれることが多いから、覚えちゃった。」

過去を振り返ってみると、会っているときに頻繁に、あきえちゃんのことでからかっているわ。

「ごめん・・なさい。」
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