私の彼氏は超肉食系
よっぽどバカだと思われているらしい。

「スマンが和重くん、この場で婿を罷免してくれるかな。オーナー一族とわしの持っている株式、あわせれば100%だ。この場を臨時株式総会としようじゃないか。」

 えっ。どういうこと?

「志保。親父が死んだ。今後の相談をしに来たところだったんだ。」

和重のお父様が亡くなったということは、和重が一星テレビのオーナー。

もう終わりね。

もっと和重の傍に居たかったのに。

ずっと傍に居られると思ってたのに。

「臨時株式総会を開会する。異論のある株主は名乗りでよ。居ないようなので第1の議案、現社長更迭の件、賛成の方挙手を願います。」

和重と西海会長の手が挙がる。

「賛成多数により第1の議案が通りました。続いて第2の議案、現副社長を社長に昇格する件。」

控え室の前の廊下に西海会長の声だけが響き渡る。

カオリお姉さまが教えてくれたところによると社長人事を同時に決めないと次の取締役会で副社長が権限を握るまでは現社長がその職を引き続き勤めるのだそうだ。

そしてその場で社長から全ての権限が剥奪された。

「『西九条』さん、スマンが警察に連絡してくれるか?」

「警視総監殿へ直接で構わないですか?」
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