私の彼氏は超肉食系
監督のことで思い出したことがあれば直接連絡して欲しいと名刺を貰っている。

あの方なら、この業界のことも詳しいだろうから、上手く扱ってくれるに違いない。

「なっ。ケイシソウカン。」

元社長が愕然とした表情になる。

なんだろう?

所轄とかだったら握りつぶせるとでも思っていたのだろうか。

警察内部に昵懇の間柄の人間が居るとか。

なおさら警視総監に直接話したほうがいいよね。

私がスマートフォンを取り出した。

そのときだった元社長がいきなり飛び掛ってきた。

咄嗟に自分の腕をクロスしてガードする。

「なんでお前が持っているんだ。くそっ。このスマートフォンさえ無ければ!」

元社長は私のスマートフォンを取り上げ、悪態を吐くとそのまま走り出していく。

どうやら元社長が控え室で探していたのは、スマートフォンだったらしい。

偶然『中田』さんに預けていた所為で難をのがれたみたい。

「待て!!」

カオリお姉さまと少し遅れて和重が追いかけていった。
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