私の彼氏は超肉食系
「そんなっ。」

それは酷い。

死に向かう人間になんていうことするのよ。

「和重くん。やはり、わしが持っている株式をオーナーたるお主に渡したほうがいいのじゃないかのう。今まで娘可愛さにズルズルきてしもうたのが拙かったようだ。」

「しかし、我々は経営に直接タッチしないのが原則で・・・グループ全体の方針を決めたり、今回のような経営危機があった時だけ資金貸付と人材交流させるためにあるのであってですね。」

「それはわかっているが、このままでは『西九条』さんに告訴という泥を被って貰うことになってしまうではないか。」

「それは覚悟しています。」

今度こそ、私に女優としてオファーをしようという人間が居なくなるだろう。

そうなれば医者だけを目指せる。

元社長の返り咲きを阻止できるのであれば一石二鳥というものよね。

「わかりました。では会長の持ち分から2パーセントを彼女に今回の慰謝料として渡していただけませんか。そうすれば、一族の持つ49パーセントと彼女の2パーセントの反対で返り咲きを防げますし、一族からの独立性も保てます。」
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