私の彼氏は超肉食系

最悪の母親

「それで彼は、裕也さんはどこに居るのですか?」

その記事が世に出てしまえば、彼の芸能界人生はめちゃくちゃになってしまう。

示談したとはいえ関係を強要したのは確か。

相手の女性が昨夜のベッドの中の彼をお金と引き換えに話してしまわないとは限らない。

「あんなことをしたあの子に会うつもり? 優しいわね。私は顔も見たくないというのに。」

彼と母親は電話で話した以外に顔も合わせていないらしい。

彼の自業自得とはいえ、なんて親。

今、彼女の頭の中は、これからの損得勘定で忙しいのだろう。

どういうふうに立ち回れば自分に被害を受けなくて済むか悩んでいるらしい。

それに私も彼を追い詰めた人間のひとり。

彼の強い欲望を知りつつも世に放ってしまった。

「今は弁護士さんと会っているのでしょうか?」

でも伸吾さんが担当弁護士だったら、かちあうのは避けたい。

「それは明日以降よ。そうね。今日のところは貴女が会って落ち着かせてあげて。もうあの子はダメよ。俳優になれないわ。」

母親と話をしたはずなのに落ち着いていないって・・・もしかして彼を責め立てたのか?

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