私の彼氏は超肉食系
あー寒イボがたった。

即、ストーカー予備軍に入りそうだったので名刺交換もしなかったのよね。

「僕は・・・「別に慰謝料を貰おうなんて思ってないの。前回の浮気は女優さんが騙されてアダルトビデオに出演させられたという理由だったから、黙っていたけど。今度のは何よ。つまみ食いだなんて相手にも失礼だけど私にも失礼だわ。」」

一星テレビの視聴率低迷の原因だった女優はこの男の愛人だったのね。

だから噂程度ではやめさせられなかったのか。

そういえばロケ先とスタジオでのやりとりの中であのレポーターに対して『お前はつまみ食いだ。』なんて言っていたのよね。

途端に相手が泣き出して一気に視聴率が上がったみたいだったけど。

「もう顔も見たくないの。家計の貯金や私の貯金を食いつぶしたのも見逃してあげるから、さっさと出て行って頂戴。」

それは甘過ぎます。私だったら、全額返還させた上で慰謝料をがっぽり戴くのに。

「わかった。お前がそう言うのであれば別れよう。」

男は意外にもあっさりと別れることを了承し、離婚届に署名と判を押す。

何か今、机の下で手を握りしめなかったか?

「ほらよ。これでいいか。」

「待って!」

「何だよ。まだあるのか。」

何故か。男の顔が引きつって見える。
< 202 / 307 >

この作品をシェア

pagetop