私の彼氏は超肉食系
「監督。この医療機器本物じゃないですか。しかも、かなり使い込まれている。どうしたんですか? これ。」

「君の大学で埃をかぶっていたのを借りてきたんだ。十分使えると聞いているぞ。」

既に町医者は亡くなっており、台風で足留めをくらう私たち。

この場所で『マキ』さん演じる主人公が虫垂炎を発症し、放置しようとした私を男が拳銃で脅し無理矢理、手術を行わせるというストーリーである。

昨年はこの現場を直撃する台風と撮影スケジュールが合わなかったこともあり、先延ばしにされていた。

今年、台風が本土を直撃するときを選んでロケ現場にやってきている。

それなのに窓際でのシーンでは雨が映像に出にくいという理由で台風の大雨の中、映画のスタッフが外で放水している。

そこまでスルか、CGでいいんじゃないだろうか。

スタッフの皆さんは余程映画が好きなんだろうね。

そしてリアリティーを求めるあまり監督は医療機器の本物を借りてきたようだ。

手術台や内視鏡手術のための液晶ディスプレイ。

点滴台や心電図は小道具と取り換えられているが、隣の部屋にはレントゲン装置まで置いてある。

これだけの機器があったら、ここで開業できそうである。
< 288 / 307 >

この作品をシェア

pagetop