私の彼氏は超肉食系
綾仁親王殿下は今上天皇の第3皇子である高桂宮家の第1男子で皇族の中で唯一の適齢期の独身男性として有名である。

皇族としては三十数年ぶりの男子だったが数年後相次いで生まれた親王のほうが継承順位が高いこともあり、既に皇太子としては偶されていないがそれでも重要な皇統には違いない。

「お忙しいところへお邪魔して申し訳ありません。わたくし、首席随員の八條友近と申します。」

綾仁親王殿下をまずお通しして客間にご案内させて頂いた。

酷くお疲れのご様子なのでもう1人の随員と警護担当だという男性にその場を任せて、別室で話を伺う。

「杉山建と申します。映画監督をしております。こちらがこの映画に出演して頂いています『台地マキ』さん、『西九条れいな』さんです。丁度、休憩を取ろうとしていたところですので、お気になさらずに。」

監督はスタッフに怒鳴りつけていたことなど忘れたかのようだ。

「西九条といいますと九条公爵家の分家のご血筋の方ですかな?」

九条公爵家と言えば、明治維新で公爵に取り立てられた6摂家の公家である。
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