私の彼氏は超肉食系
「関係あるさ。お前目当ての男性客も居たんだ。裕也に寄ってくる女性客とお前に寄ってくる男性客の相乗効果で二丁目のお姉さまを牽制できていたんだ。」

「何それ初めて聞くよ。私目当て? 女優業をやっている今ならまだしも、ただの無愛想女に近寄ってくる男なんているわけないじゃん。」

「それが居たんだよ。四隅が彼らの特等席だったよ。ぼやーっとしたフリでしっかりとお前を視線で追っていたよ。キモかったー。でも金払いは良かったからなヤツら。」

それってストカーとかなんじゃあ。

やっぱり最低な人格だよ店長。

従業員をダシどころかエサにするとは何てヤツ。

「特にお前が良く話し掛けていた。なんとかという医者は周囲を同僚に固めさせていたから、初めは俺でも分からなかったぞ。」

「それって遠藤先生のこと?」

そういえば、いつも隅に座っているなぁ。と思っていたのだ。

夜勤明けで来てくれたときも寝たフリをしながら、薄目を開けて覗いていたのか?

じゃあ、あの一目惚れという話は真っ赤な嘘?

それってヤバイじゃない。

あの人とは、これからも付き合っていかなくてはいけないのに聞きたくなかったー。

私はストーカーにあの誓約書を持たせたというのか?

まあ誓約書で脅されたら、女優『一条ゆり』に犠牲になってもらおう。

女優業がダメになっても、私には医者という目標がある。

そう思って心を落ち着かせる。

なんか、最近コレばっかりだな。

なんで私の周りってイケメンダメ男ばかりなんだ。

遠藤先生も! 裕也も!! 店長も!!!
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