私の彼氏は超肉食系
「俺のマンションをどうやって突き止めた?」

「何を言っているの? 請求書の処理に困って私に経理までやらせておいて。」

「それは個人情報だぞ。」

「それを貴方が言いますか? 履歴書の住所を裕也に教えた貴方が。」

「それに・・・裕也が戻ってきたら、どうする。アイツと女の取り合いなんて嫌だぞ俺は。」

裕也が私を殺そうとしたことは知らないんだ。

「そんなにも嫌ですか?」

そう言って涙が零れそうになるのを必死に堪える。

「そんな・・・何があったんだ。お前がそんな表情をするなんて、いったい何が・・・。」

病院での経緯を全て喋った。

殺されかけ『一条ゆり』が誓約書を書き、裕也が精神科病棟に入ったことまで話した。

重荷を肩代わりしてもらおうなんて、本当はしてはいけないことだと分かってる。

だけどもう私ひとりでは、抱えていられなかったの。

ゴメンね和重さん。

「俺の所為じゃないか。お前に高額バイトを探している理由を聞いたとき俺は、迷わず裕也に売ったんだ。このままでは遅かれ早かれ水商売に手を出すだろう。と思ってな。」

この人の露悪的に卑劣な画策の中で、唯一私のことだけ直接、手を下したことだったから本気で嫌われている。

そう思ったときもあったけど決して見捨てず相談相手になってくれたのは、そういうことだったんだね。

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