魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
ベッドの上で起き上がり、窓の外を見つめてぼんやりとする。
私はきっと、幸せではない。
かといって、不幸せでもないだろうことはよく分かっていた。
それなら私は、今どこを彷徨っているのだろうか。
疑問は素朴に自身をさらけ出す。
「消えたい…」
疲れて、疲れて、疲れ果てて。
ぽつり、出てきたのは、昔は他愛ない時によく口にしていた言葉だった。
「もう……死に、たい…」
溢れて溢れて止まらない。
言葉は刃物だと、この時ばかりは頭でよく理解をしていた。