魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
男性はつかつかと早足で近付いて来ると、私の腕を掴んでいた男の手を造作もなく払いのける。
突然の登場に彼らも戸惑っていたのか、腕に込められた力は弱まっていたから、払うのは容易かった。
我に返ったのはそのすぐ後だった。
「何だてめえ。いいトコなんだから邪魔すんなよ」
「いいトコ……ねえ」
私をちらりと一瞥すると、男性は再び彼らに目を向ける。
「お前の目は節穴か?どう見たって楽しそうじゃねえだろこのお嬢さんは」
鼻で笑うと、私を背に隠してくれる。
どことなくアサヒに似ているようで、懐かしくなった。
「こいつは俺のなんでな。どっか別の女でもひっかけに行けよ。
それとも警察でも呼んでじっくり話し合うか?」
携帯をちらつかせる男性に、男たちは怯む。