魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
「ああ、いや。アサヒが言ったわけじゃない。俺も全部を知ってるわけじゃないから誤解すんな。
つか、嫌でも目に入るんだよ。——あいつが、得意の笑みを顔に貼り付けて人を殴る姿がな」
悲しそうに言われては、続きを聞くしかないではないか。
小さく息をついて自身をなんとか持たせると、今度こそ話を聞こうと心に決めた。
「もちろん、最初のは衝撃的だったさ。だが、それから幾度となくあいつが暴力に走る姿を見てきたんだ。
全く、偶然もここまで度を越すと偶然じゃなくなるんだろうな。あいつが大抵どこで何してるのかが分かってきた」
そういえば、私は詳しく知らなかった。
アサヒが裏で何をしていたのかという具体的な話は。