魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
それでも、少しでも彼の情報を引き出すに越したことはないと邪念を払いのける。
ええ、ええ。好奇心など微塵もないです。
再三言うなれば、これは情報収集というやつ!……多分。
言い切れない自分の弱さを悔やんでみたりと、問答を繰り広げていると。
「それを聞いてどうするの?」
うっ……
息が詰まります。
にこり、虫も殺さないようなその顔で今にも殺しそうな雰囲気は一体どこから……。
背筋を這う汗に身も凍りそうになってぶるりと身震い。
いやでも、しかし。めげるな……!
気持ちを奮い起こして、じっと見つめること数秒。
一瞬目を逸らして考えるそぶりを見せた彼はあっさりと。
「16歳。君と同じ」
小さく息を吐いた後、肩をすくめて言った。
言われて私は自分の歳すら知らなかったと気が付いた。