魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
「あー…今更でなんだが、後悔はないんだな?」
「はい」
「そうか」
するとシロウさんは満足そうに頷いた。
ようやく、私をまっすぐ見てくれた。
どこか安心することができたのは何故だろう。
「言っとくが、これから話す内容はアサヒから聞いたわけじゃねえ。
俺が把握する限りだ。推測も挟むが、知ってることは全て話してやる。あとはあいつから聞け」
前置きにそう言うと、内容を整理するように逡巡したのち、語り始めた。
一つ一つ、言葉を選ぶように。
それはそれは慎重に。
「事の発端はふた月ほど前か。原因はあいつの行動全てにある。
あいつは…——」