魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
話し終えて、体勢を崩したアサヒは、腕に顎を乗せて私を見てくる。
私の返しはそんなにおかしかっただろうか。
面白そうな顔をされて、少し不安にはなってしまう。
悪く思われてはいないだろうけども。
「さて、と。これからどうしようか」
「これから?」
伸びをしながら私に返答を求めてくるような言い方に、首を傾げる。
「全部を話したんだ。アリサに後ろ暗いことはもう何もない。
そして僕は追われている。アリサを閉じ込めていた場所だ、ここに居ても安全ではない。
なら、どうしようか」
「え、と……」
困る回答を委ねられても、どうしていいか分からない。
実質、勢いのままここに来てしまった私が、都合のいい答えを持ち合わせているわけもない。
狼狽える私にアサヒはくすりと、艶やかに笑ってみせる。
「逃避行でもしようか」