魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
柄にもなく、夢を見てしまえそうなのだ。
ああ、愛おしい。
お預けはもう、なしでもいい。
今ならその華奢な体を抱きしめることもできる。
退く必要などなく、触れることもできる。
小鳥のような可愛らしい声を発する唇にキスをすることもできる。
今なら夢だと思えていたことさえ、全てできる。
手を伸ばすことなどできるはずもなかった。
純粋で清らかな彼女を汚すことなどできるわけもない。
必死で押さえ込んできた欲望。
ああ、本当に触れてもいいのだろうか。
壊れないだろうか。逃げてしまわないだろうか。
貪欲なまでに溢れてくる感情。
どれだけ押さえ込もうとも、コントロールなど効きやしない。
仕方がない。
仕方がないのだと自分を甘やかす。